2001年、軽自動車が変わった
2001年11月、ダイハツは軽トールワゴン「MAX」をフルモデルチェンジで発売しました。その中で最上位グレードとして設定されたのが「MAX RS」です。
当時の軽トールワゴン市場は、スズキ・ワゴンRやダイハツ・ムーヴが牽引していましたが、そのほとんどはNAエンジンか、あってもSOHCターボでした。MAX RSはDOHCターボ+インタークーラーという、軽ハッチバックのスポーツグレード並みの動力性能を、トールワゴンボディに搭載して登場したのです。
MAX RSのスペック(2001年型)
| 項目 | スペック |
|---|---|
| 全長×全幅×全高 | 3,395×1,475×1,590mm |
| ホイールベース | 2,440mm |
| 車両重量(2WD) | 790kg |
| エンジン | JB-DET 659cc DOHC I/Cターボ |
| 最高出力 | 64ps/6,400rpm |
| 最大トルク | 9.7kgm/3,200rpm |
| 変速機 | 4速AT(マニュアルモード付き) |
| 駆動方式 | FF / 4WD |
| 燃料タンク | 33L |
軽自動車離れしたボディ剛性
MAX RSはダイハツの新世代プラットフォームを採用し、ボディ剛性が大幅に向上していました。フロントサスペンションのマクファーソンストラット式は軽自動車標準的なものでしたが、サブフレーム構造の採用により、高回転ターボエンジンのトルクに耐えられる設計になっていました。
4速AT(マニュアルモード付き)のみの設定
MAX RSの変速機は4速AT(マニュアルモード付き)のみの設定です。AT限定免許でも乗れる手軽さに加え、マニュアルモードでギアを選んでターボエンジンの特性を積極的に引き出せるのが特徴です。
ライバルとの比較
| 車種 | エンジン | 最高出力 | 車重 |
|---|---|---|---|
| MAX RS | JB-DET DOHC I/Cターボ | 64ps | 790kg |
| ワゴンR RR(同世代) | K6A SOHC I/Cターボ | 64ps | 790kg |
| ムーヴ RS(先代) | JB-DET DOHC I/Cターボ | 64ps | 760kg |
数字では同等に見えますが、DOHC特有の高回転域でのパンチ力と、独特の3気筒サウンドがMAX RSの個性を際立てています。
2005年、生産終了
MAXシリーズは2005年12月に生産終了。後継モデルは実質的にはムーヴに統合される形となりました。MAX RSの生産台数は非常に少なく、現在でも現存台数は全国で数百台程度とも言われています。
なぜ今も愛され続けるのか
MAX RSが2026年現在も一部のファンに熱く愛される理由は、明確です。
- 代替がない独自性——DOHCターボのトールワゴンはMAX RS以降、実質的に絶滅した
- 適度な希少性——台数が少ないからこそ、所有することへの満足感がある
- チューニングの伸びしろ——JB-DETは今でもチューニングパーツの知識が蓄積されている
- 普通に使える実用性——4人乗り・広い室内・軽自動車の取り回し。スポーツカーと違い日常使いができる
「速い軽」は他にもあります。でも「トールワゴンのボディで、DOHCターボで、自分でメンテして乗り続ける」という体験は、MAX RS以外では得られません。だからこそ、20年以上経った今でも乗り続けているオーナーが存在するのです。